ネス・オブ・ブロッガー(Ness of Brodgar)は、リング・オブ・ブロッガーとストーンズ・オブ・ステネス(Stones of Stenness)の間にある考古学遺跡で、住居跡、装飾された石板、基礎を備えた巨大な石垣、そして新石器時代の「大聖堂」と形容される巨大な建物の痕跡が見つかっています。世界遺産には登録されていませんが、遺跡の大部分を管理するヒストリック・スコットランドによると、ネス・オブ・ブロッガーは「世界遺産の理解に大きく貢献している」とのことです。
2008年、ユネスコは、地元議会が計画している「ストーンズ・オブ・ステネスとリング・オブ・ブロッガーの北西に、高さ 72メートルの大型風力タービン3基を建設する」計画が遺跡に損害を与える可能性があるとして懸念を表明しました。2019年には、気候変動に対する遺跡の脆弱性を評価するためのリスク評価が実施されました。スコットランド歴史環境局、オークニー諸島評議会などが作成した報告書は、世界遺産全体、特にスカラ・ブレイは、海面上昇、降雨量の増加、その他の要因により、気候変動に対して「極めて脆弱」であると結論付けています。また、異常に激しい嵐によってスカラ・ブレイが部分的に破壊されるリスクも指摘しています。
2019年4月、気候脆弱性指数が文化遺産である世界遺産「オークニー諸島の新石器時代の遺跡中心地」に初めて適用されました。
イギリスにおけるオークニー諸島の新石器時代の遺跡中心地の場所が判る地図(Map of Heart of Neolithic Orkney, United Kingdom)