メキシコ：カンペチェ - 旅行のとも、ZenTech

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カンペチェ

　サンフランシスコ・デ・カンペチェ（スペイン語：San Francisco de Campeche、ユカテカ・マヤ語：Ahk'ìin Pech、英語：Campeche City）、19世紀、単に「カンペチェ（Campeche）」としても知られ、メキシコ合衆国南東部のユカタン半島西部にあるカンペチェ州の州都となっている都市です。メキシコ湾の一部であるカンペチェ湾東岸に位置する港町です。市庁所在地であり州都でもあるこの市の 2010年国勢調査では人口は 220,389人でしたが、2020年国勢調査では人口が 249,623人に増加しました。面積 52.48平方キロメートル（20.26平方マイル）、海抜 10メートル（33フィート）、北緯 19度51分00秒西経 90度31分50秒です。
　この都市は 1540年にスペインの征服者コンキスタドールによって、既存のマヤ都市「カン・ペチ（Can Pech）」の上にサンフランシスコ・デ・カンペチェとして設立されました。プレ・コロンブス期（先コロンブス期、ヨーロッパ人が到来する以前の時代）の都市の痕跡はほとんど残っていません。
　メキシコ湾に面した良港であったため貿易港として発展しました。豊かになるに従い、17世紀になると海賊の襲撃が頻繁に発生したため、防衛のために1686年から18年の歳月を掛けて大要塞が造られ、メキシコ有数の要塞都市となりました。このカンペチェ市には、海賊から街を守っていたスペイン植民地時代の城壁や要塞が数多く残っています。その保存状態と建築の質の高さが評価され、1999年に「歴史的城塞都市カンペチェ（Historic Fortified Town of Campeche）」の名称で世界遺産（文化遺産）に登録されました。カンペチェは（カナダのケベック・シティと並んで）、北米で歴史的な旧市街の城壁の大部分がそのまま残っている数少ない都市の一つです。元々、スペイン人は城壁に囲まれた都市内に居住し、先住民のマヤ族は周辺のサンフランシスコ、グアダルーペ、サン・ロマンといったバリオに住んでいました。これらのバリオには今も当時の教会が残っており、グアダルーペの教会はほぼ 500年前に建てられたものです。

カンペチェイメージ（カンペチェ大聖堂）

　カンペチェの観光名所としては、1540年に着工し18世紀初頭に完成したカテドラル（カンペチェ大聖堂、Campeche Cathedral）、ラソレダー砦（マヤ建築博物館）、海門、サンティアゴ砦（植物園）、サンカルロス砦（カンペチェ市博物館）、サンタロサ砦、サンファン砦、陸門、サンフランシスコ砦（海賊博物館）、ペドロ・サイス市場、サンペドロ砦（民芸博物館）、サンホセ砦、サンミゲル砦などがあります。

　近年、カンペチェ州では観光業が著しく発展しています。その観光活動を支えるのが、州都カンペチェの象徴的なスポットです。
　カンペチェの歴史地区は、総督時代のバロック様式で築かれた要塞都市の美しい一例です。スペイン植民地時代の建築様式が数多く残っており、カンペチェの要塞システムは 17世紀と18世紀のスペイン軍事建築の重要な例です。これらの特徴から、カンペチェは国連教育科学文化機関（ESC）の人類文化遺産に指定されています。
　街路が整然と並ぶ街路を歩きながら、家々の装飾を鑑賞することができます。中には 18世紀のムーア様式とスペイン様式を強く彷彿とさせる家もあれば、19世紀の様式に改変を加えた家もあります。ファサードの色彩は、訪れる人々に生き生きとした活気を与え、それぞれの通りには物語や伝説が溢れています。
　街の一部を囲む城壁は、17世紀と18世紀の副王領時代を彷彿とさせます。
　宗教建築と民間建築が民間建築と軍事建築と融合し、海賊の侵攻から住民を守る控えめな信仰の砦となっています。フランシスコ会の葦葺き教会や、ソロモンの円柱を備えたバロック様式の祭壇画は、ビジャ・デ・サン・フランシスコ・デ・カンペチェのような要塞化されたアメリカ大陸におけるカトリックの福音伝道活動に強い影響を与えた痕跡を残しています。そのファサードの簡素さは、信者の保護が深く考えられていた時代に、信仰に課されたものです。
　アカンムルとして知られる場所があり、比較的近い場所にはエズナとジャイナの遺跡があります。この街は、カンペチェ州の他の重要な遺跡を訪れる出発点としても利用できます。
　「カサ・デ・ロス・イツァエス」には、コロンブス以前の時代に政治、経済、宗教の権力が集中していた様子を物語る、約 20の記念碑的な建造物が残っています。
　土壌の性質上、この谷は雨期には洪水に見舞われ、ほぼ一年中高い湿度を保ちます。この問題に対処するため、マヤ人は高度な水利システムを開発しました。運河網が谷を排水し、その水をラグーンへと導きました。ラグーンは擁壁によってダムへと変貌を遂げ、他の運河は畑の灌漑に利用されました。これにより、集約的な耕作に最適な土壌水分が確保され、運河は豊富な漁場を提供し、交通路として、そして時には防衛手段としても利用されました。広場には素晴らしい排水システムがあり、雨水はチュルトゥネスと呼ばれる人工貯水池に流れ込んでいました。
　エズナには、約 25平方キロメートルの地域に、数多くの宗教建築、行政建築、住居が点在していました。この遺跡で特に重要なのは、大きな基壇の上に建てられた5階建ての建物で、建築的に荘厳な雰囲気を醸し出しています。
　「海の家」は、マヤの墓地として名高いことから、この地域で最も興味深い場所の一つです。遺跡周辺では 1000基以上の埋葬地が調査され、そこからおそらく埋葬の供物として供えられたと思われる、驚くべき粘土片が発見されています。これらの粘土片が発見された当時、その質の高さは、この地域でこれまで発見されていた粘土片をはるかに凌駕していたため、マヤ文化における泥工芸への新たな評価を育むきっかけとなりました。
　サン・フランシスコ・デ・カンペチェ市街地の一部は、ロス・ペテネス生物圏保護区に接しています。
　ペテネスと呼ばれる不思議な円形の植生は、塩水域の真ん中に淡水源が湧き出ることで、塩分に弱い植物の発達が促進され、淡水源を囲むように植物相が階層構造を成す小島が形成されています。この構造は、多くの鳥類や哺乳類の営巣や避難場所となっています。
　保護区の沿岸マングローブ林には、魅力的なルートを形成する無数の自然の道があり、ターポン釣りや鳥類などの動物の観察を楽しむことができます。
　この地域の豊かな自然は、様々なエコツーリズムの発展と楽しみにとって理想的な環境です。

メキシコ合衆国におけるカンペチェの位置が判る地図（Map of Campeche City, State of Campeche, United Mexican States）

地図サイズ：480ピクセル X 360ピクセル

　カンペチェ市にはカンペチェ国際空港があり、メキシコの首都メキシコ・シティとの間で商業航空便が運航されています。
　メキシコ・シティからカンペチェまで飛行機で1時間40分、陸路ではコルドバとビヤエルモサを経て東へ道なりで1140キロメートル（車で14時間20分）、タバスコ州の州都ビヤエルモサから北東へ道なり390キロメートル（車で5時間30分）です。カンペチェからユカタン州の州都メリダまで北東へ道なりで190キロメートル（車で2時間20分）、マヤの重要な遺跡「エズナ遺跡（Edzná）」まで南東へ道なりで53キロメートル（車で1時間）、マヤ文明最大規模の遺跡群「カラクルム遺跡（Calakmul）」まで南東へ道なりで310キロメートル（車で4時間50分）です。

メキシコ湾カンペチェ・シティ地図

地図サイズ：520ピクセル X 460ピクセル

カンペチェの交通機関と観光名所およびホテル

カンペチェの交通機関

1. 1等バスターミナル / ADO bus station：メキシコ・シティ（所要 18時間半）、ベラクスル（13時間）、ビヤエルモサ（7時間）、メリダ（3時間）、カンクン（7時間半）などへのバスが発着しています。カンペチェ市街中心部（ソカロ）からバスターミナルまで南へ道なりで3キロメートル（車で10分）地図外下

2. 2等バスターミナル

3. エズナ行きローカルバス発着場

4. カンペチェ国際空港 / Campeche International Airport：カンペチェ市街中心部から空港まで南東へ道なりで7キロメートル（車で15分）、地図外右下

カンペチェの観光名所

5. カテドラル / Catedral de Ntra. Sra. de la Purísima Concepción：カテドラルの西側にはカンペチェのソカロ（中心広場）となっている独立広場（プラザ・デ・ラ・インデペンデンシア、Plaza De La Independencia）があります。

6. 海門 / Puerta de Mar (Sea Gate)

7. ラ・ソレダ砦（ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ソレダ） / Museo de la Arquitectura Maya, Baluarte de la Soledad：海門を守る砦、現在はマヤ建築史博物館（ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ソレダ）として使用されています。

8. サンカルロス砦 / Baluarte de San Carlos：最初に造られた防衛施設で海門を守る砦

9. サンティアゴ砦 / Xmuch'haltun Botanical Garden (Jardin Botanico Xmuch'haltun)：復元され現在は植物園「Xmuch'haltun」となっています。

10. 陸門（大地の門） / Puerta de Tierra

11. サンフランシスコ砦 / Baluarte de San Francisco：陸門を守る砦

12. サンファン砦 / Baluarte de San Juan：陸門を守る砦

13. サンタロサ砦 / Baluarte de Santa Rosa

14. サンペドロ砦 / Baluarte de San Pedro：現在は民芸博物館として利用されています。

15. プリンシパル市場（ペドロ・サイス市場） / Mercado Principal (Pedro Sáinz de Baranda)

16. サンホセ教会 / Ex Templo de San José

17. サンホセ砦 / Museo Histórico de San José el Alto：海賊の略奪からカンペチェを守るために18世紀に築かれた1辺30メートルの方形要塞、カンペチェ市街中心部（カテドラル）から北東へ道なりで4キロメートル（車で12分）、地図外右上

18. サンミゲル砦 / Fort San Miguel (Fuerte De San Miguel)：18世紀に築かれた砦、内部はエズナ遺跡やカラクルム遺跡からの出土品を展示する博物館になっています。カンペチェ市街中心部から南西へ道なりで5キロメートル（車で12分）、地図外左下

カンペチェのホテル

19. ホテル・デル・マール / Hotel Del Mar (Hotel GAMMA de Fiesta Inn, Campeche Malecón)：3つ星ホテル

20. ホテル・プラザ・カンペチェ / Hotel Plaza Campeche：4つ星ホテル

21. ハシエンダ・プエルタ・カンペチェ / Hacienda Puerta Campeche, a Luxury Collection Hotel, Campeche：4つ星ホテル

22. ホテル・シティ・エクスプレス・カンペチェ・オフィシャル / Hotel City Express Campeche Oficial

23. オーシャン・ビュー・ホテル / Ocean View Hotel：4つ星ホテル、カンペチェ市街中心部からホテルまで北東へ道なりで1.8キロメートル（車で5分）、地図外上

カンペチェ地図（Google Map）

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