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エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ


 エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ(英語:Esplanade - Theatres on the Bay)は、シンガポールの歴史的中心部であるダウンタウン・コア、シンガポール川の河口付近に位置する舞台芸術センターです。近くにあるエスプラネード・パークにちなんで名付けられたこの施設は、2つの円形の建物から構成されています。そのうち 1つには約 1,600席のコンサートホールが、もう1つには約 2,000席の劇場(舞台芸術用)が収容されています。この施設は「ドリアン」という愛称で親しまれています。
 
エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ地図(Map of Esplanade - Theatres on the Bay, Downtown Core, Singapore)
エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ地図
地図サイズ:540ピクセル X 640ピクセル
 

エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ 歴史

 1989年、オン・テン・チョン副首相を議長とする「文化芸術諮問委員会(Advisory Council on Culture and the Arts)」が、シンガポールにおける芸術の現状を評価する報告書を作成しました。この報告書はシンガポールの文化政策の青写真となり、後の「国家芸術評議会(National Arts Council)」および「国家遺産委員会(National Heritage Board)」の設立につながった。報告書では、適切な舞台芸術施設が不足していることが指摘されました。例えば、ビクトリア・シアターは小規模から中規模の公演にしか適しておらず、ビクトリア・コンサート・ホールも同様に、座席数や舞台の規模が不十分であるとされました。報告書は新たな舞台芸術センターの建設を提言し、これを受けて1992年、「エスプラネード」を建設するための組織として「シンガポール・アーツ・センター(現在のエスプラネード社/Esplanade Co Ltd)」が設立されました。施設の名称は 1994年に発表されました。エスプラネード・パーク内に位置し、その存在感が際立っていることから「エスプラネード」と名付けられました。
 1992年、シンガポール・アーツ・センター社主導のもとで計画が開始されました。総工費は約 6億シンガポールドルにのぼる。1996年8月11日には、当時のトニー・タン副首相の立ち会いのもと起工式が行われ、建設が正式に始まった。エスプラネードは、かつてシンガポール市民に親しまれた飲食スポット「サテ・クラブ(Satay Club)」の跡地に建設されました。サテ・クラブはエスプラネードの建設に先立ち閉鎖されていました。その後、センバワン・ショッピング・センターの隣へ移転し、2012年からは「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」へと場所を移しましたが、最終的に閉鎖されました。
 2001年2月に完成し、2002年10月12日、当時のシンガポール大統領S. R. ナザンによって正式に開館しました。
 2005年7月5日には、エスプラネードにて第117次IOC(国際オリンピック委員会)総会の開会式が開催されました。式典では、シンガポールの多文化的な遺産を国際的な観客に向けて紹介する30分間のパフォーマンスが披露されました。2010年4月17日には、エスプラネードMRT駅が開業しました。同駅は島内の鉄道網と接続しており、その名称は当劇場に由来しています。
 2014年3月期(2014年3月を末日とする会計年度)において、エスプラネードは 230万シンガポールドルの赤字を計上しました。これは、開館以来初の営業赤字です。この赤字は、観客動員数や実施された活動の規模が前年とほぼ同水準であったにもかかわらず発生したものであり、主な要因はスポンサー収入および寄付金の減少によるものとされています。
 2016年9月2日には、ニースで発生したテロ攻撃を想定した訓練「エクササイズ・ハートビート2016(Exercise Heartbeat 2016)」が、当施設にて実施されました。
 

エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ 外観

 この建物は、シンガポールのDPアーキテクツ(DPA)とロンドンを拠点とするマイケル・ウィルフォード&パートナーズ(MWP)という2つの建築設計事務所の共同作業によって設計されました(ただし、MWPは 1995年5月にプロジェクトから離脱しています)。設計は、三角形のガラス要素と日よけ(サンシェード)を組み合わせた 2つの円形のスペースフレームで構成されており、外の眺望を確保しつつ、日差しを遮るというバランスを実現しています。
 1994年に公開された当初の設計案は、劇場を覆う装飾のないガラスの箱のようなものです。これに対し、世間からは「交尾する2匹のツチブタ」のようだといった批判が寄せられました。また、シンガポールの熱帯気候において「温室」のような空間を作り出してしまうため、現地の立地や気候に対する配慮が欠けているという指摘もありました。しかし、DPAのディレクターであるヴィカス・ゴア氏によれば、当初から何らかの日よけを設けることは計画に含まれており、最終的な設計にはアルミニウム製の日よけが外装として追加されました。この独特な建築デザインは、果物の「ドリアン」や「昆虫の目」に似ていると言われています。そのため、地元の人々の間では「ビッグ・ドリアン」という愛称で親しまれています。2つの円形のガラス製シェル構造を覆う7,000個以上の三角形のアルミニウム製日よけは、まるでドリアンの表面にあるトゲのように見えます。設計者たちが意図的にドリアンを模したわけではなく、日よけを設ける方法として最も興味深いと考えた結果、このような形になったのです。エスプラネードからはどの方向にも美しい景色が望めるため、ガラス素材が採用されましましたが、シンガポールは赤道に近いため、太陽の熱や紫外線から建物を守る必要もありました。
 
エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ イメージ
エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ
このイメージデータはWikipediaから写真を引用し改変したものです。
 
エスプラネード=シアターズ・オン・ザ・ベイ地図(Google Map)
 

 
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