イスラエル：エルサレム - 旅行のとも、ZenTech

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エルサレム地図

　エルサレム（ヘブライ語：יְרוּשָׁלַיִם、アラビア語：القُدس‎ （al-Quds）、英語：Jerusalem）は、地中海と死海の間にあるユダヤ山脈の高原に位置する、南レバント地方の都市です。紀元前30世紀頃に古代セム語系民族がオフェルの丘に集落を築いたのがエルサレムの起源とされ、紀元前1000年頃にヘブライ王国のダビデ王がエルサレムを都としました。世界最古の都市の一つであり、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三大アブラハムの宗教の聖地とされています。イスラエル国とパレスチナ国はともに、エルサレムを首都であると主張しています。イスラエルは主要な政府機関をエルサレムに置いており、パレスチナ国は最終的にエルサレムを権力の座と見なしています。どちらの主張も国際的に広く認められていません。なお、国際的にイスラエルの首都はテルアビブとされています。エルサレムの人口は 936,425人（2019年現在）、エルサレム都市圏人口 1,253,900人、自治体としての人口はイスラエル最大、都市圏人口ではテルアビブ都市圏に次いで 2番目です。面積 125.16平方キロメートル、標高 754メートルです。東エルサレム（イルラエルによる軍事占領地となっているヨルダン川西岸地区の一部）にある旧市街は「エルサレムの旧市街とその城壁群」の名称で世界遺産（文化遺産）に登録されています。
　エルサレムは長い歴史の中で、少なくとも 2回破壊され、23回包囲され、44回占領・奪還され、52回攻撃を受けました。エルサレムの「ダビデの町」と呼ばれる地域には、紀元前4千年紀に遊牧民の羊飼いの野営地という形で、最初の居住の痕跡が見られます。カナン時代（紀元前14世紀）、エルサレムは古代エジプトの粘土板にウルサリム（Urusalim）と記されていました。これはおそらくカナンの神にちなんで「シャレムの都市」を意味すると思われます。イスラエル時代、エルサレムでは紀元前10世紀（鉄器時代II）に大規模な建設活動が始まり、紀元前9世紀までにユダ王国の宗教的・行政的中心地へと発展しました。1538年、オスマン帝国のスレイマン大帝の治世下、エルサレム周辺の城壁は最終的に再建されました。今日、これらの城壁は旧市街を形成しており、19世紀以降、旧市街はアルメニア人地区、キリスト教徒地区、ユダヤ教徒地区、イスラム教徒地区の 4つの地区に分割されています。旧市街は 1981年に世界遺産に登録され、危機に瀕した世界遺産リストに掲載されています。1860年以降、エルサレムは旧市街の境界をはるかに超えて拡大しました。2022年、エルサレムの人口は約 97万1,800人で、そのうち約 60％がユダヤ人、約 40％がパレスチナ人です。2020年の人口は 95万1,100人で、そのうちユダヤ人は 57万100人（59.9％）、イスラム教徒は 35万3,800人（37.2％）、キリスト教徒は 1万6,300人（1.7％）、その他は 1万800人（1.1％）です。ヘブライ語聖書によると、ダビデ王はエブス人からエルサレムを征服し、そこをイスラエル連合王国の首都に定め、その息子ソロモン王は第一神殿の建設を命じたとされています。現代の学者は、イスラエル人がカナン人やその文化から分岐し、エル/ヤハウェを中心とした独自の一神教、後に一神教の宗教を発展させたと主張しています。紀元前1千年紀の幕開けにまたがるこれらの基礎的な出来事は、ユダヤ人にとって中心的な象徴的重要性を帯びています。聖都（ヘブライ語：עיר הקודש、ローマ字：'Ir ha-Qodesh）の異名は、捕囚後の時代にエルサレムに付けられたものと考えられます。キリスト教におけるエルサレムの聖性は、キリスト教徒が旧約聖書として採用したヘブライ語訳聖書にも保存されており、新約聖書におけるイエスの磔刑と復活の記述によってさらに強化されました。一方、イスラム教においてエルサレムは、メッカとメディナに次ぐ3番目に神聖な都市です。この都市はイスラム教徒の礼拝における最初の標準的な方角であり、イスラムの伝承によれば、ムハンマドは 621年にエルサレムで夜の旅を行い、天に昇り、コーランによれば神と対話しました。その結果、わずか0.9平方キロメートル（3⁄8平方マイル）の面積にもかかわらず、旧市街には、嘆きの壁のある神殿の丘、岩のドームとアル・アクサ・モスク、そして聖墳墓教会など、宗教的に重要な多くの遺跡が存在します。
　現在、エルサレムの地位はイスラエル・パレスチナ紛争における中核的な問題の一つとなっています。1947年の国連パレスチナ分割案では、エルサレムは「国連によって統治される特別な国際体制の下、分離独立国家として設立される」ことになっていました。1948年の第一次中東戦争（アラブ・イスラエル戦争、1948年5月15日～1949年2月／4月、国連の仲介により停戦、イスラエルの事実上の勝利）では、西エルサレムはイスラエルに編入された地域の一つであり、旧市街を含む東エルサレムはヨルダンに占領・併合されました。イスラエルは 1967年の第三次中東戦争（六日間戦争、1967年6月5日～6月10日、国連の仲介により停戦、イスラエルの圧倒的勝利）でヨルダンから東エルサレムを占領し、その後、周辺地域と共にエルサレムの自治体に併合しました。イスラエルの基本法の一つである1980年のエルサレム法は、エルサレムを国の分割不可の首都と規定しています。イスラエル政府のすべての機関はエルサレムにあり、クネセト（イスラエル国会）、首相と大統領の官邸、最高裁判所もそこに含まれています。国際社会はこの併合を違法として拒否し、東エルサレムをイスラエルが不法占領しているパレスチナ領とみなしています。

エルサレムイメージ（岩のドーム）

　エルサレムの観光名所としては、岩のドーム（Dome of the Rock）、聖墳墓教会（Church of the Holy Sepulchre）、スルタンの修道院（Deir Al-Sultan）、セント・アン教会（St. Anne's Church, Jerusalem）、聖ヤコブ大聖堂（St. James Cathedral Church）、聖救世主修道院（Saint saviour monastry）、嘆きの壁（Western Wall）、アル＝アクサー・モスク（Al-Aqsa Mosque）、オマール・モスク（Omar）、フルバ・シナゴーグ（Hurva Synagogue）、ダビデの塔（Tower of David、エルサレム旧市街の西端）、シロアムの池（キリストが奇跡を起こした池）、ギホンの泉、ヒゼキヤの水道、リベルテンの会堂（リベルテンのシナゴーグ）、ヒッポドローム（ヒッポドロームのオベリスク）、フルダ門、ヤッフォ門（Jaffa Gate）、黄金門（Golden Gate）、ダマスカス門（Damascus Gate）、シオン門（Zion Gate）、糞門（Dung Gate）、ヤド・ヴァシェム（Yad Vashem、ユダヤ人大虐殺（ホロコースト）の犠牲者追悼の国立施設）、イスラエル博物館（国立博物館、The Israel Museum, Jerusalem、年間入館者数 80万人、聖書館）、ロックフェラー考古学博物館（Rockefeller Archaeological Museum）、ヘルツルの丘（Mount Herzl）、イスラム美術館（Museum of Islamic Art）、イタリア・ユダヤ美術館（Nahon Museum of Italian Jewish Art）、自然史博物館（Museum of Natural History）、シオン広場（Zion Square）などがあります。

　エルサレムのホテルは、ナショナルホテルエルサレム、レオナルドプラザ、ウォルドルフアストリアエルサレム、プリマパークホテル、キングデビッドホテルエルサレム、イビスエルサレムシティセンター、リトフコテルホテルジューイッシュオーソドックスホテル、イビススタイルズエルサレムシティセンター、オリエントエルサレム、アンバサダーホテル、ザテンプラーイン、セルゲイパレスホテル、ヴィラバモシャヴァ、スパニッシュハウスインエルサレム、ヴィラブラウンブティックホテルインエルサレムバイブラウンホテルズ、ロザリーシスターゲストハウスエインカレム、ビアズィホテル、ダムソンブティックホテルなどがあります。

イスラエルにおけるエルサレムの位置が判る地図

地図サイズ：360ピクセル X 480ピクセル

　エルサレムへの交通アクセスは、テルアビブからエルサレムまで車やバスで 1時間5分（南東へ道なりで 68km）、アシュドッドから車やバスで 1時間5分（東へ道なりで 65km）、ベイト・シェメシュから車やバスで 40分（東へ道なりで 33km）です。エルサレムからベツレヘムまで車やバスで 25分（南へ道なりで 10km）、死海北西角にあるカリア・ビーチ（Kalia Beach）まで車やバスで 45分（東へ道なりで 45km）です。

エルサレム地図（Map of Jerusalem, Israel）

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