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ウィーンの美術館と博物館
アルベルティーナ美術館
アルベルティーナ美術館（ドイツ語：Albertina、英語：Albertina）は、オーストリアの首都ウィーンのインナーシュタット（ウィーン第1区）にある美術館です。世界最大級かつ最重要の版画室を有し、約 6万5000点の素描と約 100万点の古典版画に加え、近代のグラフィック作品、写真、建築図面なども収蔵しています。グラフィックコレクションに加え、クロード・モネ（Claude Monet）やアンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック（Henri de Toulouse-Lautrec）など印象派と20世紀初頭の重要な美術コレクション 2点を永久貸与で収蔵しており、その一部は常設展示されています。また、企画展も開催しています。2020年の来館者数は 36万73人で、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響で 2019年比 64％減少しましましたが、それでも世界で最も来館者数の多い美術館ランキングで 55位にランクインしています。
アルベルティーナ美術館 イメージ
アルベルティーナ美術館は、ウィーンの要塞群の中で最後に残ったアウグスティヌス要塞に建てられました。元々、この場所には 17世紀後半に建設されたホーフ建築事務所（宮廷建築事務所）がありました。1744年、ホーフ建築事務所長であったエマヌエル・テレス・シルヴァ＝タルーカ伯爵によって改修され、彼の宮殿となりました。そのため、タルーカ宮殿とも呼ばれていました。その後、この建物はテシェン公爵アルベルト・カジミェシュに引き継がれ、彼の住居として使用されました。アルベルトは後に、ハプスブルク家のネーデルラント総督を務めていたブリュッセルから、自身のグラフィック・コレクションをここに持ち込みました。彼はルイ・モントワイエに建物の拡張を依頼しました。それ以来、宮殿はホーフブルク宮殿のすぐ隣に位置しています。コレクションはアルベルトの後継者によって拡張されました。孫のテシェン公爵アルブレヒト大公が 1895年に亡くなるまでここに住んでいたため、宮殿はアルブレヒト・エルツェルツォク・アルブレヒト宮殿と呼ばれていました。
このコレクションは、アルブレヒト公爵が、ヴェネツィア駐在オーストリア大使であったジェノヴァ出身のジャコモ・ドゥラッツォ伯爵と共同で創設しました。1776年、ドゥラッツォ伯爵は公爵とその妻マリア・クリスティーナ（マリア・テレジアの娘）に約 1,000点の美術品を贈呈しました。ジェノヴァ総督マルチェロ・ドゥラッツォの兄弟であったドゥラッツォ伯爵は、「後世のために、何よりも崇高な目的を果たすコレクションを創りたいと考えていました。すなわち、教育と道徳の力こそが、彼のコレクションの特徴であるべきである…」と願っていました。1820年代には、アルブレヒト公爵とマリア・クリスティーナの養子であるカール大公が、ヨーゼフ・コルンホイゼルに建物の更なる改修を依頼し、主に内装が変更されました。カール大公の後、その息子アルベルト大公、そしてアルブレヒトの甥で人気のあったテシェン公爵フリードリヒ大公がこの建物に住んでいました。
1919年初頭、オーストリアの新社会主義政府は、建物とフリードリヒ大公のコレクションを補償なしに没収し、彼を立ち退かせました。1920年、版画と素描のコレクションは、かつての帝国宮廷図書館のコレクションと統合されました。1921年、建物はアルベルティーナ美術館と改名されました。
1945年3月、アルベルティーナ美術館はアメリカ空軍の爆撃により大きな被害を受けました。戦後、建物は再建され、1998年から 2003年にかけて全面改装と近代化が行われました。ハンス・ホラインによる特徴的な屋根を含む外観のエントランス部分の改修は、2008年に完了し、グラフィック・コレクションがようやく再開されました。2018年、アルベルティーナ美術館は、アレックス・カッツ、シンディ・シャーマン、ゲオルク・バゼリッツ、ヘルマン・ニッチュ、マリア・ラスニヒなどの作品を含む、1,323点の現代美術作品からなるエッスル・コレクションを取得しました。
2020年5月27日、近代美術のための新しい美術館「アルベルティーナ・モダーン」が開館しました。アルベルティーナ・モダーンのコレクションは、5,000人のアーティストによる6万点以上の作品を収蔵しています。2024年4月には、1945年以降の作品を展示するアルベルティーナ・クロスターノイブルク美術館が開館しました。
アルベルティーナ美術館地図（Map of Albertina, Vienna, Austria）
地図サイズ：700ピクセル X 630ピクセル
アルベルティーナ美術館地図（Google Map）
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